日本における雇用形態とは?
日本で就職活動をしたり、仕事を探した経験がある人なら、求人情報には【給与範囲】、【経験要件】、【勤務地】、【福利厚生】などと並んで、【雇用形態】が記載されていることに気づいたでしょう。本稿では、日本の雇用形態とその違いについて詳しく解説します。
Ujobプラットフォームで選べる雇用形態
Ujobプラットフォーム上で企業が社員募集を行う際、選択可能な雇用形態は以下の7つです。
日本では、1つの企業が複数の雇用形態を採用するのはごく一般的なことです。この中でも、正社員、契約社員、派遣社員は特に一般的な雇用形態といえます。
①正社員(正規社員)
正社員とは、企業に直接雇用され、長期的に働くことを前提とした従業員です。正社員は通常、長期間の雇用契約を結び、重大な問題がない限り定年まで働くことができます。そのため、日本では正社員になることは一つの「安定した職」として評価されており、採用基準も非常に厳しい場合が多いです。
**正社員の福利厚生**
·毎月の給与に加え、ボーナス(夏季・冬季)が支給されます。ボーナス額は業績に応じて異なりますが、一般的に1か月分の給与程度となるため、年間で14か月分の給与を得られる場合があります。
·多くの企業では年功序列制度を採用しており、勤続年数が長くなるほど給与が上がる仕組みです。
·法律で定められた福利厚生以外にも、交通手当、住宅手当、家族手当、健康診断補助などが支給されます。
②契約社員
契約社員も企業に直接雇用されますが、雇用期間があらかじめ定められています。契約期間は最長3年で、専門的な技術を持つ場合は最長5年まで延長可能です。契約満了後は、企業の状況や従業員の業績に応じて更新の有無が決まります。また、日本の法律では、同じ会社で5年以上働いた契約社員を無期限雇用に切り替える義務があります。
**契約社員と正社員の違い**
正社員は無期限雇用(「安定した職」)、契約社員は期限付きの雇用(「契約社員」)という点で大きく異なります。
**契約社員の福利厚生**
契約社員の給与や福利厚生は正社員と大きな差はありませんが、退職金が支給されない場合が多く、ボーナスの有無は企業によります。また、正社員よりも労働時間が短く、残業も少ない傾向にあります。
③派遣社員
派遣社員とは、人材派遣会社に雇用され、派遣先の企業で働く従業員のことです。雇用契約や給与支払いは派遣会社が管理し、派遣先の企業は派遣会社にサービス料を支払います。つまり、派遣社員と派遣先企業の間には直接的な雇用関係はありません。派遣社員は様々な業務に携われるため、職場の変更が比較的容易です。
**派遣社員の福利厚生**
派遣社員は正社員や契約社員と異なり、企業の福利厚生を受けられない場合が多いです。給与は派遣会社と派遣先企業の合意で決まりますが、派遣会社がサービス料を差し引くため、同等の正社員よりも低くなることが一般的です。ただし、雇用期間が短い場合や特定のスキルが求められる場合には、高い給与を得られる場合もあります。
④アルバイト・パート
アルバイト・パートは、短期的または臨時的な雇用形態で、固定給を受け取る働き方です。主にサービス業や小売業で見られ、例えばコンビニ、レストラン、スーパー、物流センターなどが挙げられます。学生や退職後の高齢者、主婦などに適した柔軟な働き方です。
**アルバイト・パートの福利厚生**
アルバイト・パートの給与は正社員よりも低いことが多く、社会保険(年金、医療保険、失業保険)や退職金などの福利厚生は基本的にありません。
⑤個人事業主
個人事業主は法人を設立せずに、個人名義で事業を営む働き方です。仕事の内容、時間、報酬を自分で決定できる点が特徴です。特定の分野で豊富な経験とスキルを持ち、それを活かしてサービスを提供します。
**ITエンジニアの場合:正社員と個人事業主の比較**
**収入**
個人事業主の方が高収入の可能性がありますが、プロジェクトや顧客の獲得に多くの時間と労力を費やす必要があります。正社員は安定収入を得られる反面、収入は個人事業主より低い場合があります。
**税金**
個人事業主は税務処理を自己管理し、納税負担が大きいものの、合法的な節税が可能です。正社員は税金の負担が少ないですが、節税の選択肢は限られています。
**福利厚生**
正社員は社会保険や年金制度など、福利厚生が充実しています。一方、個人事業主はこれらを自己負担で管理する必要があります。
⑥業務委託
業務委託とは、委託者と受託者の契約に基づき、特定の業務やプロジェクトを遂行する働き方です。報酬は契約に基づいて時間単位、日単位、または月単位で支払われます。
**業務委託の福利厚生**
業務委託者は企業の福利厚生を受けられない場合が多く、社会保険や医療保険なども自己負担となります。報酬が高いケースもありますが、安定性に欠けるため、特定のスキルを持つ人に適しています。
雇用形態によって働き方や待遇が大きく異なるため、就職や転職を検討する際は、自身の状況、目標、リスク許容度、ライフスタイルなどを十分に考慮してください。また、永住権取得の可能性についても視野に入れて検討するとよいでしょう。