最近、在米日本人留学生の間で突然の「ビザをめぐる嵐」が巻き起こっています。4月中旬以降、約10人の日本人留学生が外務省の在米大使館や領事館に、学生ビザが理由不明で取消されたり更新が頻繁に妨げられたりしていると相談しています。これは自主的に助けを求めた人数に過ぎず、実態はさらに深刻と見られています。現時点でビザ問題による逮捕や強制送還は確認されていませんが、予兆なく訪れたこの危機に多くの留学生が不安に駆られています。
不可解なのは、ビザを取消された学生の多くに規約違反の記録もなく、敏感な活動への関与も確認されていない点です。米国側は具体的な理由を説明していませんが、内部情報によると4月以降、外国人身份管理の強化、特にF1学生ビザ保持者への審査が密かに厳格化されているとのことです。
タイミング的に、ガザ地区での軍事行動に反対する大規模な抗議活動が米大学キャンパスで頻発し、警察による解散事件に発展した事例もあり、学生の身分と活動背景への警戒感が高まっています。日本外務省は影響を受けた留学生が抗議活動に関与していないことを確認していますが、米国が「敏感な時期」の外国人対応により慎重な姿勢を強めているのは明らかです。
留学生の間では、学校側のI-20提出ミスやSEVISシステムの誤判定説、あるいは「データ審査アルゴリズム」による誤検知の可能性も指摘されています。観察筋からは、特定国・地域への政策転換の前兆ではないかとの懸念も漏れています。
現在、日本外務省は実態調査を開始し米当局に説明を求めるとともに、影響を受けた学生に弁護士紹介やSEVIS状態確認の指導などの法的支援を実施。留学生には(1)SEVIS登録と出席状況の即時確認(2)速やかな大使館・領事館への状況報告が推奨されています。
ビザ失効は学業中断だけでなく、多額の学費投資や就職計画、人生設計全体への影響を意味します。国境を越えた夢を託す「唯一の通行証」が突然無効化される衝撃は計り知れません。
これは米国が初めて外国人留学生を標的にした事例ではありません。過去数年間に中国・韓国・インドなどの学生も「安全審査」「政策調整」などの曖昧な理由で入国拒否・強制送還・学業中断を余儀なくされており、今回の日本人留学生問題も国際情勢の連鎖反応の一端と言えそうです。